令和6年度 山形県観光介助ボランティア 実地研修会開催

令和6年10月11日(金)13時より、「山形県観光介助ボランティア 実地研修会」を開催致しました。

天候にも恵まれ、秋晴れの空の下、37名の参加者に宝珠山立石寺、通称「山寺」にお集まりいただきました。山寺は、俳聖 松尾芭蕉が「閑さや岩にしみ入る蝉の声」の名句を紀行文「おくのほそ道」に残したことでも知られています。

その景色と雰囲気が豊かなこの場所で、2班に分かれ、「観光×福祉」の実地研修が根本中堂からスタートしました。

福祉サポートは、山形市社会福祉協議会の佐藤 美香氏、細谷 恭子氏に務めていただきました。

観光案内は、山寺観光ガイド「きざはし会」の武田 昭男氏、冨樫 昭氏、そして、山寺中学校の3年生 8名が担当しました。

班ごとに車いすに乗る人、それを押す人、イヤーマフやアイマスクをつけて解説を聞く人と分かれました。山寺は、舗装されている道ばかりではありません。石畳の上や砂利道を、ガタガタといわせながら、車いすを押していきます。

要所要所で、「スピードの速さは大丈夫か」、段差があれば予め、「段差があるので、ガタガタと揺れますよ」と声掛けをします。

観光案内では、イヤーマフをつければ当然、声が聴きにくくなります。しかし、立つ場所を工夫したり、話すスピードや声の大きさでだいぶカバーができます。アイマスクをすれば、見えない分、案内がスッと入ってくる方もいらっしゃいました。しかし、イヤーマフとアイマスクの両方をつけると目と耳からの情報が遮断され、唇の動きも確認できないため、手で触れてみたり、温かさを感じたりと他の手段で案内をする必要も感じました。

中学生の案内では、説明の間にクイズを取り入れるなど、一方的な説明ではなく、楽しみながら、飽きずに聞くことができる工夫がされており、感心しました。

手を挙げて、クイズに答えてもらうことで、聞こえていない方を把握し、次の説明では、その方の近くで話すなどの工夫も臨機応変にできると感じました。

まずは、相手の不自由を知ることから始め、障がいのあるなしでできないと決めつけない心が大切です。

あっという間に、予定終了時刻の15時。

その後は、山寺芭蕉記念館から、山寺を一望しました。記念館は、車で行くことができるため、障がいのある方やご高齢の方でも山寺の素晴らしい景色を満喫できます。

「山寺は歩かなくちゃいけないでしょ?」とよく質問があります。その際には、山寺を一望できる山寺芭蕉記念館をおすすめするのもよいでしょう。

その後、山寺中学校で、意見交換会を行いました。知らないことを知ることは勇気がいることです。そして、知らないことを知った上で、お声がけをしたり、手助けしたりと実践に移すことはさらに勇気がいることでしょう。

本日知った、車いすユーザーの気持ち、目の見えない方、耳の聞こえない方の不安を忘れずに、勇気を出して、お声がけやアシストしてみましょう。

全国的には、苗字が「佐藤」さんより多いはずの車いすユーザーさんとなかなかお会いする機会がないのは、車いすユーザーさんが住みにくい社会という現れです。多種多様な方が訪れやすい山形県になるように事務局も日々邁進してまいります。皆さまもお声がけという一歩を踏み出してみてはいかがでしょう。

「観光×福祉」は、やはり、「Happy!」

次回は、モニターツアーを開催予定です。皆さまのご参加をお待ちしております。

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